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挨拶・設立の経緯・沿革・会員章の栞
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当医会の会長からのご挨拶と当医会の設立の経緯・沿革・会員章の栞(しおり)を掲載しております。

会長挨拶

 令和4年6月11日,日本小児科医会総会フォーラムin高松の令和4年度定時社員総会,臨時理事会にて会長に選出されました。成育期の子どもたちの心身の健全な発育・発達に寄与してまいりますのでよろしくお願いいたします。
2年間の任期ですが小児を含めた様々な節目を迎えます。

 2023年4月には,こども家庭庁開設,2024年4月には2029年度までの第8次医療計画の開始で5疾病5事業(がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病・精神疾患,救急医療・災害医療・へき地医療・周産期医療・小児医療)が6事業になり新たに『新興感染症等の感染拡大時における体制確保』が加わります。新型コロナ,原因不明の小児肝炎,サル痘など新興感染症に加え再興感染症の報告も後をたちません。日本版CDC の創設にようやく向かうことも決まり,日本医療研究開発機構(AMED)内に国産ワクチン開発・生産体制強化の指令塔となる先進的研究開発機構(SCARDA)が新設されました。

 地域医療構想は2025年の医療需要と病床の必要量について医療機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)ごとに推計し医療ニーズの質・量の変化や労働力人口の減少を見据え,質の高い医療を効率的に提供できる体制を構築構想しますが小児領域の検討はなされていない状態です。
5年の猶予期間をおえて医療機関の働き方改革の開始,医療・介護・障害福祉等のトリプル改定があり,団塊の世代(昭和22年~24年出生)が2025年には後期高齢者になり2040年にはその方たちが現在の平均寿命に達します。その頃に65歳以上人口のピーク約3,900万人にとどく問題に進んでいきます。日本の人口は11年連続で減少し2021年出生数81万人で6年連続減少しコロナ禍加速度的に国の推計より6年早くなっています。その推計では人口1億人をきるのは2049年となっています。国の希望合計特殊出生率1.8を満たすのは沖縄県のみとなっています。
医療計画では小児人口の減少を背景とした小児科医数の議論が行われ,かたや働き方改革から地域医療体制が壊れないように小児科医を含めた医師数の必要性がうったえられています。

 財務省財政制度等審議会の建議等では『かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行う』とされ,日本医師会や厚生労働省のかかりつけ医の定義の検討や機能は重要ですが,フリーアクセスの制限,包括化や人頭払い制度の検討,地域差を勘案した診療報酬制度まで参考,検討すべきとされています。
6月閣議決定骨太方針2022では医療DXの推進が明記されました。政策にKPI(重要目標達成指標)をかかげ,政策をその場限りでなく合理的根拠に基づくものとしその効果測定や判定に重要な情報や統計等のデータ活用したEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)を求めています。
日本小児科医会が提唱した『成育基本法』が2018年12月に成立しました。現在健やか21でもそうですがDXの推進に達成数値目標が求められます。行政に何かお願いにまいりますと必ずエビデンスを求められます。Incentiveが付帯し財源が発生するものには特にそうです。今後各委員会に子どもたちにとって必要な政策をさらに検討していただきアドボケーターの役割を果たして行きたいと思います。

 現在日本小児科医会には,乳幼児学校保健委員会・学術教育委員会・公衆衛生委員会・国際委員会・社会保険委員会・子どもの心対策委員会・子どもとメディア委員会・小児救急医療委員会・地域総合小児医療検討委員会・広報委員会・ホームページ委員会・少子化対策委員会などで各役員・委員がコロナ禍の診療の合間,真摯に公益活動していただいています。また日本小児医療保健協議会(四者協:日本小児科医会・日本小児科学会・日本小児保健協会・日本小児期外科系関連学会協議会),その合同委員会に参画しています。子どもの医療・保健・福祉など情報共有・協議しています。

 最後に医会も高齢化が進んでいます。子ども育成と同様,次世代の小児医療等の継続につなげる若い小児科医等の入会をお願いいたします。

 
(2022年6月30日)

公益社団法人 日本小児科医会

会長 伊藤 隆一

設立の経緯

 1979年(昭和54年)1月21日、日本小児科学会理事長は、小児医療全般にわたる医療体制の確立を目指して、同学会社会保険委員会に対し小児医療改善に関する重要事項6項目の諮問をしました。同委員会はこれを受けて検討を重ねた結果、1980年(昭和55年)2月3日「小児医療改善に関する答申」を出しました。その中の第5項目に「全国的小児科医会の結成」があり、これが日本小児科医会の芽生えです。

 以後、全国小児科医会連絡会が開催され、1983年(昭和58年)に日本小児科医会設立準備委員会が発足し、1984年(昭和59年)5月18日に日本小児科医会が創立され、初代会長に内藤壽七郎が就任しました。
 小児医療改善のための事業を中心に積極的な事業展開を続けると共に、国際的にもWHOのEPI活動へ協力、ラオスのポリオ撲滅に関するJICAの活動に参画・資金援助、中国と日中育児研究会開催などの活動をしてきました。
 1997年(平成9年)に14年間会長を務めた内藤壽七郎が辞任、後任として天野 曄、2002年(平成14年)より師 研也、2006年(平成18年)より保科 清、2012年(平成24年)より松平 隆光、2018年(平成30年)より神川 晃が会長に就任し、現在に至っております。
 近年不登校、いじめなどの問題が叫ばれ、神戸の事件をきっかけにして小児科医にできることがあるはずだと、子どもの心対策委員会が設置され、1999年(平成11年)より「子どもの心相談医」制度を設置いたしました。子どもの心相談医の研鑽を計るため、毎年「子どもの心」研修会を開催しております。
 2000年(平成12年)12月11日、厚生省から正式に社団法人 日本小児科医会として認可されました。 その後、2011年(平成23年)4月1日に一般社団法人 日本小児科医会に移行、2015年(平成27年)に公益社団法人 日本小児科医会に移行しております。

沿革

1984年 5月
日本小児科医会 創立(初代会長に内藤壽七郎)

1984年 7月
日本小児科医会 創立記念ニュース発行

1985年 3月
日本小児科医会ニュース 創刊第1号発行

1986年 1月
日本小児科医会会報 創刊

1990年1月
第1回日本小児科医会生涯教育研修会(現総会フォーラム)開催

1990年 6月
WHO予防接種拡大計画担当者のためのワークショップにアドバイザーとして参加

1991年 8月
バングラディシュ小児科学会の要望によりサイクロン被害の子どもたちに20万円寄付

1993年 5月
ラオスのポリオ撲滅協力募金(3年間継続支援)

1995年 1月
阪神・淡路大震災被災地へ特殊ミルク等支援開始とともに義援金を募集

1995年 9月
ベトナムにおけるJICA結核予防接種計画に対して5千ドルの支援(パスツール研究所より感謝状)

1996年 2月
中国雲南省大地震被害救援のため粉ミルク支援

1997年 8月
厚生省児童家庭局母子保健課と共同で“子育て支援ビデオ”を作成

1999年6/7月
第1回「子どもの心」研修会開催 (内閣総理大臣より挨拶)

1999年10月
「子どもの心」相談医登録制度開始

2000年12月
社団法人日本小児科医会として設立・認可

2001年11月
第1回思春期の臨床講習会開催 (厚労省・文科省・日医会長より祝辞)

2003年 1月
福祉医療機構助成事業「タバコから子どもを守ろう」公開講座 及びポスター・リーフレット作成・配布

2004年2月
「子どもとメディア」の問題に対する提言を発表

2004年 3月
健やか親子21平成15年度活動で「子どもの予防接種週間」とし、麻疹ワクチン接種運動を展開(以後定着化)

2004年10月
新潟県中越地震による被災地に見舞金と外来小児科学会作成のPTSD冊子を印刷して送付

2004年10月
小児医療のグランドデザイン(会報28号掲載)

2005年 9月
子どもとメディアの問題に関する啓発ポスター作成・配布

2005年10月
第1回日本小児科医会ワークショップ(現生涯研修セミナー)開催

2007年3月
PTSD啓発冊子「もしもの時に、子どもの心のケアのために」作成

2011年 3月
東日本大震災被災地に紙おむつ・粉ミルク等を贈ると同時に義援金募集開始(5年間事業)

2011年 4月
一般社団法人日本小児科医会として登記

2012年2月
第1回乳幼児学校保健研修会

2012年10月
“小児保健法”ポスター作成・配布

2013年10月
第1回「子どもの心」研修会(導入編)

2013年11月
講演会『成育基本法制定に向けて』-子どもの将来、日本の未来-

2014年 1月
“スマホに子守りをさせないで”ポスター作成・配布

2014年9/11月
豪雨による広島市の土砂災害被災地に有志医会員及び関係団体と合同で282万円を寄付

2015年 4月
公益社団法人日本小児科医会として登記
地域総合小児医療認定医制度開始
“スマホに子守りをさせないで”リーフレット作成・配布

2015年10月
第1回小児救急研修会

2015年11月
日本小児科医会 創立30周年記念式典・祝賀会
第1回地域総合小児医療認定医指導者研修会
第1回家庭看護力醸成セミナー

2015年12月
第1回予防接種・海外渡航合同研修会

2016年3月
本ホームページリニューアル

2016年9月
日本小児科医会が提唱する「成育基本法」についての意見広告を毎日新聞(9月30日朝刊)に掲載

2017年1月
“遊びは子どもの主食です”、“スマホの時間わたしは何を失うか”ポスター作成・配布

2017年3月
熊本地震被災地に有志6団体と合同で250万円を寄付

2017年7月
小児救急電話相談情報収集分析事業実施団体に応募し、選出される。
会員専用ホームページリニューアル

2017年10月
第1回都道府県小児科医会全国会長会議

2017年12月
第1回日本小児科医会記者懇談会

2018月4月
日本小児科医会会報誌査読制度開始

2018年12月
日本小児科医会が提唱する「成育基本法」が成立(国会両院本会議可決)

日本小児科医会 会員章の栞(しおり)


八稜鏡の中央に児の篆字(てんじ)をデザイン化して配置した。
鏡は「手本・模範・戒しめ」をあらわす。
児はここでは「小児科医」のことである。
そこに、子どもの幸福を願って日夜努力している
真摯(しんし)な小児科医の姿をみていただきたい。
それは誇り高く、永遠に光を失うことはない。