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公衆衛生委員会

公衆衛生委員会

主に予防接種の普及と接種体制の改善について、各種データを方々より集めて発言をしています。予防接種週間の評価、重症麻疹患者全国調査、広域予防接種体制の推進なども展開しています。

活動方針

公衆衛生委員会は主に小児に関係する予防接種や感染症にかかわる情報の収集や発信などを中心とした活動を行っている。
予防接種については、日本だけでなく諸外国の予防接種情報の把握や提供、定期接種、任意接種を含めた予防接種の推進、予防接種に関連する諸団体への協力、さらには厚生労働省予防接種課等への各種提案・意見・要望・調査協力など。
また予防接種と深く関係する各種感染症についても、地域小児科医の立場からの発生状況調査・共有、さらに感染症対策や地域において把握された問題点などについて、厚生労働省感染症対策課等とも協力した対応を行っている。
また日本小児科医会会員や自治体宛のアンケート調査なども積極的に行い、信頼度や実効性の高い情報の収集に努めている。
以下にここ数年の間に公衆衛生委員会として実施した事業や、今後行う予定の事業などを照会する。

事業活動紹介

  1. 2023年実施 全国自治体宛て任意接種ワクチン公費助成状況調査
  2. 2025年実施 日本小児科医会会員宛て「MRワクチン供給・接種状況調査」計2回実施
  3. 2025年予定 日本小児科医会会員宛て小児への筋肉注射接種状況調査
  4. 委員会企画研修会・講演会等開催
    • ワクチン不足はなぜ起きる〜ワクチンの製造と流通を考える〜
      シンポジウム:2025年6月14日(第36回日本小児科医会総会フォーラム)
    • 国際的視点から考える「これからの小児医学・小児医療」研修会
      (国際委員会との共催セミナー・研修会)2024年10月20 日
      「日米の予防接種制度の比較」
      「新生児スクリーニングをアメリカでのシステムと比較して学ぼう」
    • 「国際的視野から見たVaccine Hesitancy」
      (国際委員会との共催セミナー・研修会)2025年11月30日
  5. 小児への筋肉注射接種手技等の動画資材作成、提供 2025年実施予定

他学会、他委員会等との協力

  1. 予防接種推進専門協議会への委員派遣・活動協力
  2. 日本小児科学会予防接種感染症対策委員会委員派遣
  3. こども家庭科学研究事業 次世代育成基盤研究事業「HTLV-1キャリア妊産婦の支援体制の構築に関する研究」に協力
  4. 風しんゼロプロジェクトへの参加・協力
  5. 予防接種関連事項に関する厚生労働省への要望・提案・意見書等の作成
  6. 日本小児科医会ホームページへの予防接種・感染症関連記事掲載協力
  7. 地域小児科医の立場から感染症対策・予防接種対策等についての厚生労働省への提案、調査協力
  8. 感染症・予防接種などにおける国際委員会と共通テーマ研修会実施協力(前述)
  9. 母子免疫ワクチン推進に向けての産婦人科医師等(日本産婦人科医会・日本産婦人科学会、日本看護協会、日本助産師会等)との連携
  10. 乳児期のビタミンD欠乏症の予防に関する啓発
  11. 地域総合小児医療ブラッシュアップセミナーへの講師派遣

まとめ

COVID19が5類感染症に移行した後の数年は多くの感染症が次々と流行し、小児医療現場はかなり混乱した状態がくり返されている。
予防接種に関しても小児に関する新規ワクチンとして15価結合型肺炎球菌ワクチン、20価結合型肺炎球菌ワクチン、5種混合ワクチン、経鼻インフルエンザ生ワクチン、RSウイルス母子免疫ワクチン、新しいCOVID19ワクチンなどが次々と承認され、定期接種や任意接種ワクチンとして実施されるようになった。RSウイルス関連ではワクチンではないものの、同等の作用を持つ長期作用型抗体製剤の承認と保険診療への収載などもあり、感染症対策は大きく変わりつつある。
一方ワクチンの安定供給においては、MRワクチン、おたふくかぜワクチン、HPVワクチン、DPTワクチンなどにおいて供給不足が起こり、接種現場は大きく混乱した。
ワクチン不足の中、海外からの輸入例による麻疹の増加、我が国の予防接種スケジュールの影響による百日せき症例の増加も大きな問題となっている。
さらに2025年4月7日から感染症サーベイランス事業が変更され、急性呼吸器感染症(ARI)を5類感染症としての報告するARIサーベイランスが開始されており、開業小児科医にとっては業務負担の増加が起こる中、必要不可欠な対応などが求められている。
公衆衛委員会として、これらの種々の状況に遅滞なく対応して行くことを目指して、業務の執行にあたる所存である。

乳児ボツリヌス症について

乳児ボツリヌス症は、生後1歳未満の赤ちゃんがボツリヌス菌に感染することで発症し、重篤な場合には命に関わることもある重大な疾患です。特に蜂蜜の摂取が危険であることは広く知られていますが、近年では蜂蜜以外にも原因となる食品や環境が指摘されています。
本資料では、乳児ボツリヌス症の原因や発症の仕組み、症状、予防策、治療法について、最新の知見をもとに詳しく解説しています。ご家庭や保育の現場で赤ちゃんの健康と安全を守るために、ぜひご一読ください

日本小児科医会 公衆衛生委員会 前業務執行理事 及川 馨 作成

乳児ボツリヌス症の詳細はこちら