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日本小児科医会 主催「第5回 記者懇談会」レポート

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2019年4月3日午後6時半から日本プレスセンタービル10階「Aホール」において「第5回 記者懇談会」が開催されました。今回の懇談テーマは「グローバル化する社会での感染症のリスクとワクチン」です。神川 晃会長からの開催挨拶後、2つの講演と活発な質疑応答が行われました。


講演1「グローバル化に伴う輸入感染症の現状と課題」

日本小児科医会 国際委員会委員長
水野 泰孝(略歴

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(講演要旨)

2020年に東京で2回目のオリンピックが開催されることになり、政府は訪日外国人旅行者4,000万人の実現に向けてインバウンド事業推進への対策を強化しています。多くの外国人が来訪することは歓迎すべきことではありますが、人の行き来が盛んになることによって、海外で発生している感染症が渡航者によって持ち込まれるリスクも高くなることが予想されます。


最近5年間を振り返ってみると2014年に日本国内でのデング熱の発生や西アフリカで限局的な発生であったエボラウイルス感染症の先進国への波及、2015年に韓国で中東呼吸器症候群(MERS)の医療機関を中心とした伝播、2016年に中南米を中心としたジカウイルス感染症の流行、昨年は沖縄で台湾人観光客を発端とした麻疹の流行がありました。これらの事例を踏まえながら、輸入感染症への備えについて考えてみたいと思います。


講演2「グローバル化に備えて接種すべきワクチン」

日本小児科医会 業務執行理事
(国際委員会担当)関場 慶博(略歴

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(講演要旨)

ラグビーワールドカップ2019年日本大会、第32回オリンピック競技大会および東京パラリンピック競技大会(2020年)と立て続けに世界規模の大会が日本で開催される。


マスギャザリング(集団形成)としての上記の国際的な大会に向けて感染症リスク評価で、大規模事例の懸念、高い重症度等を考慮すると、麻しん、侵襲性髄膜炎菌感染症、中東呼吸症候群、腸管出血性大腸菌感染症があり、そのうちワクチンで防げる感染症は麻しんと侵襲性髄膜炎菌感染症の2種類である。今回は主に侵襲性髄膜炎菌感染症およびワクチンいてお話したい。

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演者/水野 泰孝(国際委員会委員長・左) 関場 慶博(業務執行理事・右)
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第5回 記者懇談会 会場内の様子

今回は、18社の報道関係の記者が参加され活発な質疑応答をされました。

オリンピック、パラリンピック開催に向け種々の感染症について関心が高く今回紹介された侵襲性髄膜炎菌感染症については、特に多くの質問があり、また、感染症予防について選手やボランティアに対するワクチン接種についても積極的な意見交換が行われました。

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記者懇終了後 日本記者クラブ前の夜桜
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記者懇談会の翌朝 車窓から望む日本の象徴「富士山」

新元号「令和」が発表され、まもなく日本は新しい時代に突入します。少子高齢化社会がますます進む中、日本小児科医会は小児医療というフィールドのみならず、「成育基本法の理念」に基づき、新しい時代とともに歩んでいきたい。そう考えます。


(文責)

公益社団法人日本小児科医会
ホームページ委員会
業務執行理事 藤谷 宏子

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