TOP > ブログ > 第7回 日本小児科医会 乳幼児学校保健研修会を終えて。
2018/02/20

第7回 日本小児科医会 乳幼児学校保健研修会を終えて。

ブログ

平成30211日(日)、三井住友銀行東館ライジング・スクエア SMBCホールにおいて第7回乳幼児学校保健研修会が開催されました。成長曲線を学校健診の場で積極的に活用することとされ各地で生活習慣病健診が行われるようになって来ていることから、今回は「児童生徒の生活習慣病予防について考える」をテーマに取り上げました。

午前の部

松平会長のご挨拶に始まり、午前中は基礎的・総論的な内容を中心とした3つの講演がありました。

1.    現代の子どもの身体の実態

和洋女子大学生活科学系 杉浦 令子 先生

学齢期小児では一部の年齢を除き肥満は減少傾向を、痩せは増加傾向を示していること、高度肥満児の出現率については減ってはいないことが示されました。痩せを含めた取り組みが必要であることを指摘されました。

2. 小児メタボリックシンドロームの概念、病態、診断基準

 東京家政学院大学健康栄養学科 原 光彦 先生

小児肥満の中で、肥満症、メタボリックシンドロームとして医学的介入が必要な児の見極めについてわかりやすい解説がありました。将来の非感染性疾患(NCDs:心血管疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患など)を予防するために先制医療(個人レベルで胎児期から終末期までの全てのステージを対象)の重要性を述べられました。

3. 家族性高コレステロール血症小児科領域でのアプローチ-

 国立循環器病研究センター研究所病態代謝部 斯波 真理子 先生

家族性高コレステロール血症の全体像をわかりやすく解説され、家族歴の重要性、できるだけ早期の診断と適切な治療を早期に開始することの重要性を示されました。

午後は「児童生徒の生活習慣病予防健診の実際」として2つの地域での取り組みと、外来で役に立つ生活指導のポイントについてご講演いただきました。

1. 学年全体を対象とした小児生活習慣病予防健診の意義 ~高岡市の取り組み~

  JCHO 高岡ふしき病院小児科 宮崎 あゆみ 先生

長年にわたり地道に生活習慣病予防健診に取り組んできたことで地域での理解が進み、平成25年度から「高岡キッズ健診」として実施されるようになった経緯、これまで得られたデータから、健診を実施することの効果、ドロップアウトややせなどの課題、全員健診を行うことの意義について報告がありました。

2. 学校医・かかりつけ医から始まる小児生活習慣病検診 ~福岡市の取り組み~

  福岡市医師会小児生活習慣病対策部会、青木内科循環器科小児科クリニック 青木 真智子 先生

学校心臓検診にだき合わせて行う方法で、全市的に生活習慣健診をスタートさせた福岡市の状況について報告がありました。肥満・痩せの対策マニュアル(冊子)を医療機関用、家族用と作成することで、中等度肥満についてはかかりつけの診療所で対応するようになっています。この対策マニュアルは一般診療においても活用できると評価されています。

3. 子どもの生活習慣病を予防・改善する食生活指導のポイント

  大阪母子医療センター栄養管理室 西本 裕紀子 先生

大阪母子医療センターにおける栄養指導の実施状況についてお示しいただいた後、事例を交えて肥満児の食事のパターンの紹介があり、その背景として、本人の問題、家族の問題、食事の内容にとどまらず生活習慣の問題など複合的な要素があることを指摘されました。

講演に引き続き、6名の演者に壇上に上がっていただき総合討論が行われました。講演内容について、参加いただいた先生方の地域での課題について等、熱心な討論が行われました。今後それぞれの地域で、あるいはそれぞれのクリニックで生活習慣病に取り組んでいく上で有用な情報を得ていただけたのではないかと思います。205名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。

 

次回、第8回乳幼児学校保健研修会は開催日を2月から9月に変更し、平成30916日(日)に同じ会場で「乳幼児の食について考える」をテーマに開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。