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イベント・研修会情報
2023/11/22

第2回ブラッシュアップセミナー前期を終えて

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第2回ブラッシュアップセミナー前期が令和5年11月3日に開催されました。開催方法はWEBのみで、事前登録者数191名(会員145名、非会員46名)でした。当日のセミナーの簡単な報告をします。ぜひ後期にもご期待ください。

1)「コミュニティー小児科学 ~今、なぜ注目されるのか~」

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淀川キリスト教病院 小西恵理先生

要旨:小児医療の進歩による疾病構造の変化や少子化などの社会情勢の遷移のため、我が国の子どもたちに関わる問題も変化してきている、それに伴って、子どもたちの総合医である小児科医の役割も変わりつつある。小児科医は子どもたちのbiopsychosocialな健康を実現するため、病院内にとどまらず子どもたちを支える様々なコミュニティー資源の人々と連携・協働することが求められている。

2)「災害への対応、災害時小児周産期リエゾン」

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独立行政法人国立病院機構本部、DMAT事務局 岬 美穂先生

要旨:地震だけでなく、地球温暖化に伴い豪雨災害なども数多く生じるようになり、医療従事者であっても、自然災害としっかり向かい合わざるを得ない時代になってきた。どんな災害であっても、直接的または間接的な健康被害が生じる。災害医療において、子どもは災害弱者として取り扱われる。子どもたちの命と健康を守ることは、小児科医にとって重要な使命の一つである。小児科医が平時から準備できることや、災害時小児周産期リエゾンについて知ってもらいたい。

3)「日本小児科医会のHPの活用」 

日本小児科医会理事 藤谷宏子先生

日本小児科医会HPの活用について詳細な説明がありました。

4)「災害の子どもの心のケア~喪失体験と回復~」 

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日本小児科医会理事 内海裕美先生

要旨:自然災害や人災に遭遇した時、人には様々な反応が現れる。子どもは年齢や発達段階、被害程度にもよるが、様々な影響を受けやすい。心のケアのために、当然起こり得る子どもの反応について知り、早期に介入することが大切であるが、これは後遺症を減らすためにも必要である。災害時の心のケアについて知ることは、子どもの喪失体験の理解と治療につながり、一般小児科医が子どもの心のケアにあたる重要な役割を果たすことが可能となる。

5)「子どもの貧困」 

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健和会病院 和田 浩先生

要旨:相対的貧困とは「社会的生活を営むために必要なものの欠如した状態」を指し、それは社会が許容してはいけない生活水準である。ひとり親特に母子家庭で貧困率が高く、貧困は子どもの心身に大きな悪影響を与えている。貧困層は様々な困難を抱えているため、問題患者や困った親として医療者に違和感を抱かせる。医療機関でできる支援として、①病気のこと以外でも相談に乗る、②支援団体につなぐ、③子ども食堂や学習支援、物資支援を行う、④自己肯定感を高める接し方をする、⑤生活保護捕捉率を上げるなどして、医療へのアクセスが絶たれないようすることが大切である。

総括、地域総合小児医療認定医制度とは

「地域総合小児医療認定医制度」とは、後期セミナーに見どころなどについて担当副会長の佐藤副会長より説明致しました(動画:セミナー映像から一部抜粋)。
尚、後期セミナーの受講受付は12月1日より開始いたします。奮ってご参加ください。

※動画画面を2度クリック頂くと再生されます。

日本小児科医会副会長 佐藤 好範先生


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